Leo Ashizawaの「元気でやってるよ。」「元気でやってけよ。」

自分がやりたいことを少しでも伝えるには、自分自身の中でそれなりに土台が必要です。僕の土台はこのメッセージ。これまでお世話になった人へ。これからお世話になるであろう人へ。ロンドンで活動する役者、Leo Ashizawaからの便り。

海は命を抱いている ②

水着に着替え意気揚々とビーチに駆け出す僕ら5人(僕、S君、F君、U君、Y君)もう、ノリノリ。ちょっと気が大きくなっているそれもそのはず、例の岩山のせいだ。

【手漕ぎボートレンタル半日3000円】 の看板

「結構安いやん、5人で割ったら600円か。ええんちゃうか。」
ていうか他に方法がないから借りる他はない。
「んじゃ、これかしてください。」
「おおきに。えーっと2台ですか?」
「はい?いや、1台でいいっすよ。」
「でも2台いりますよね?」
「いや、だから、皆で乗るから1台でいいっすよ。」
「いや、そうでなく、定員が3名までです。」
「え?そうなんですか?」
「はい。」





「え?」





「え?&どうすんの?」っていう疑問が頭にわきあがった。
その瞬間、映画スナッチのパイキーたちのように、大の男が小さくなってヒソヒソ話で大相談。

「おい、どうすんねん。これ。」
「ホンマや、2台とか・・・どうすんねん。そんなにいらんぞ、しかも、高くつくやんけ。」


「そうじゃ、高つくやんけ・・・ってそれより誰が漕ぐねん。gen以外漕がれへんのちゃうの?」

「せやせや、俺しか漕がれへんねやろ。・・・ってか、みんなできるやろ。やったことあるやろ?公園のボート池とかで。プールで。」

「アホか、プールで手漕ぎボートなんかこがへんやろ」

「いや、俺はあるけども。せやけど、自信ないわ。」とS君

「大丈夫やって、いけるいける。」
でた、ほら、何とかなる大作戦。based on 無責任。

「いやいや、波あるから。しかもめっさ、全然ちゃうの方向いったらどうすんねん。ヤバイやろ。遭難するやろ。」

「このご時世、遭難はないって。誰か助けてくれるって。」

「アホか、そういう問題ちゃうやろ。」

「そうそう、それに2台やったら一人1200円もかかるしな。」
だって貧乏旅行だもんね、学生の僕ら。ビールは飲んでも、昼飯も食わないくらい。

「でも他に方法ないで。」
「うーん。」



・・・


しばらく黙り込み沈黙する僕ら。さーていったいどうしたものか。

「あ!?」
「何?」


いっせいに言葉に反応する僕ら。餌をくれる親鳥をけなげに待つ雛のよう。

「genのゴムボートは?」
「は?」
「ゴムボート?」
「お前、無理やろ。あんな小さいオールで。プールちゃうんやし。」
「ちゃうちゃう、連結すんねん、このボートに。」
「??」
「手漕ぎボートで引っ張っていったら大丈夫やろ。」
「おー、なるほどな。それでええやん。」
「おう!それホンマにええんちゃうか?」
「やろ??」


ここまででものの2,3分。
なかなかどうして気のあった奴らである。相談事も早い。

そんなこんなで、貧乏旅行な僕ら、手漕ぎボートをこいだ経験、そして自信があるのは僕だけ。状況も状況なだけに仕方なしに手漕ぎボートに3人、ゴムボートに2人乗り、連結大作戦を結構することにあいなりました。
手漕ぎボートに僕、Y君、S君
ゴムボートにF君、U君。



いざ大海原に向かって出航。


もちろん連結している紐は何かロープみたいなもの。ただ、ちゃんとロープをがっちり結ぶ場所がみつからなかったので、F君がそのロープを軽く握ることに。

打ち寄せる波に、風は少し強いが空は快晴。


いわゆる、万全の出航日和。


「おっしゃー!ものども、いくぜぇー。」


ボブスレイが氷道を滑り出すように僕らはボートの端を支えながら砂浜の上を滑り出す。素晴らしいまでの一致団結だ。


ザッパ~ン!!

出航~♪

久々にオールを漕ぐので僕も最初のうちはなかなかなれ慣れなかったものの、次第に勘を取り戻し、なかなか思っていたより順調に進んでいく僕ら。
頬を撫でる風と潮の匂いに大興奮な僕ら。

「うわぁー、気持ちええなぁ。」
「最高やん、コレ。」


5分、10分、15分・・・・調子よく進んでいくものの、なかなか岩山が大きくならない。

それでも僕らのテンションは大盛り上がりなので全然気にならない。小学校や中学校の昔話に花が咲いたり。
最近の近況や、悩み事を広い海に向かって吐き出したり。もう、<王様の耳はロバの耳>の穴バージョンではなくて、海バージョンになってる。

しかし、しかし・・・なかなか岩山が大きくならない。

っていうか、でかくなってこない。

近づいてこない。

んでね、ちょっと、ちょっとだけ、ちょっと湧いてくる気持ち。






実はものっそい遠いんじゃない?

(でも、そこだけは誰も触れない。でも、そんな空気が流れてるの。。。。わかる???)




段々と、波がすさまじくなってくる。ボートは波を切りながら進んでいるので大丈夫だけれど、ボートの真横から波を直接ぶつけられると間違いなく転覆の恐れありなくらい。


「なーんか波がものっすごい事になってきたなぁ。」
「これさぁ、横からぶつかられたら完全にアウトやで。」
「ホンマやなぁ、ははははは。」


「ははははは。」

でも、すこーーーしだけ、から笑い。

そして、ついに一人が話し出す。
「めっさ岸が遠くない?もうなんか浜辺にいる人が小指くらいになってるけど。。。」


にゃるほど、ふむふむ。確かに遠ーーーーい。それでも岩山の大きさはじぇんじぇんかわってない。


「大丈夫、言うてたやろ、店の人らも。30、40分もありゃーつくって。」

「まだ15分くらいしかたってないやん。」

「確かに。そらそーや。進むでぇ。」



みんなまだ、元気まんてんだ。・・・・・僕を・・・・・・。


しかし、波がどんどん強くなってきてなかなかボートを漕ぐも前にすすまない。


「うをぉーー。すげーな、俺ら海人(ウミンチュ)みたいやなぁー。」
「海の男やで、海の男!!」



大丈夫なようだ。まだみんな、余裕がある。・・・・僕を除いて・・・・・。

そう、みんなにはちゃんと言ってなかったけど、実は僕、乗り物に弱い。(ゴメンね。)
弱いっていうのは、酔うってことなんだけど、特に船はひどい。
海釣りが大好きな僕が、一度も船釣りを行ったことがないのは、この船酔いのせいだ。

そして、この強く打ち寄せる波のなか、どんどん、胃のあたりがフラフープ状態になってきている。しかもオールを漕ぐってのは進行方向に背を向けることになるから、さらにその酔いは格段早い。

誤算だった。だって、こんなに波が荒いなんて思わなかったんだもの・・・・。





でも、、、、いえない、いえない。
みんなにいえない。



みんなの期待を一身に背負ってる。唯一の漕げる男だから。期待されてる。


「おーい、gen?何か顔色悪そうやけど、大丈夫か?」

「そうか?全然、大丈夫じゃい?空がものっそい青いから、俺の顔もちょっと青くみえるんちゃうの?はっはっはっはっは。」



ぜーーんぜん、空は青くない。
どちらかといえば、雲が集まりだして、太陽がちょっと翳ってきてる。

『マジ頼む!!海の神様、波様。折角の地元友達の思い出。楽しく過ごさせてください。波様、お静まりくださーーーーーい。』

そんな僕の気持ちとは裏腹に、波はどんんどん強くなり、なかなかボートが波を切るのもしんどくなってくる。

次第にみんなの会話が少なくなってくる。

まだ、あまり岩山は大きくなってきていない。

どんどん、僕らの団結力がボロボロ音を立てて剥がれていくような、そんな空気が流れ出している。


・・・


・・・


「なぁ」
一人が重い空気で口を開いた。Y君である。彼の性格は天然だ。それも激しく。いつも突然、口を開くと突拍子もないおもしろいことを言ってくれるやつだ。
そんなヤツが口を開いた。みんなそいつの言葉を期待している。
ヘタすると生唾を飲み込むくらい彼の一言に期待している。
もう一度、みんな空気を、あの頃のように盛り上げるのは、お前しかいないのだ。










「なぁ、サメが出てきたらどうする?」




お前、、、こんな状況で、そんなこと言うなよ。





・・・





おいおい、いつもの陽気さはどこにいったんだい。
どうするもくそもないやろがぃ。
そっちの方向で天然発揮するなや。


しかも、自分のその思い付きが気に入ったのか、みんなは聞いてないのに、【ここにサメがいる可能性】的なものを一人語りしてる・・・。




もーー好きにして。





色んな意味でY君の天然っぷりは僕らにダメージを与えた。でも、それはさらなる出来事の序章でしかなかったのだ。


もう、こんなんになってた。

1 Comments

Sです  

あの時の波は本当に凄かったよなー なんせあの旅行の直前に台風がきてたんやから。 確か、貸しボート屋のおばちゃんには今日は波高いから危ないよ、みたいなこと言われたよーな
あの中よく行ったよな、、、
それにしても懐かしいわー。 そう、あの時のヒットソングは、奥田民生のイージューライダーでした。それも懐かしいー 

2007/07/10 (Tue) 16:07 | EDIT | REPLY |   

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  • 2007.07.23 (Mon) 11:28 | 船・ボートが最高によかった
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  • 2007.07.23 (Mon) 14:43 | 船・ボートが最高によかった