Leo Ashizawaの「元気でやってるよ。」「元気でやってけよ。」

自分がやりたいことを少しでも伝えるには、自分自身の中でそれなりに土台が必要です。僕の土台はこのメッセージ。これまでお世話になった人へ。これからお世話になるであろう人へ。ロンドンで活動する役者、Leo Ashizawaからの便り。

それでも鷹は舞う。霧の空を。

男は深い霧に包まれた、どこかも分からない場所で眼がさめた
自分の手足すら確認するのもままならない深い霧の中で。
それでも霧に触れている身体は心地よく、温かい。

「ここから今すぐにでも抜け出したいんだ。」
冷や汗と共に突然、何故か、そんな思いが男の心をよぎった。

<何故そこから抜け出したいんだ>
何処よりか声が聞こえてくる気がする。
<何故、そこから抜け出したいんだ>
「わからない。ここにいたくないからだよ。」

<・・・またか。>
「?」
<辺りをよく見てみるといい>

男がよく辺りに眼を凝らしてみるとそこには、たくさんの人間が
何をするわけでもなく、ただ、その場に根をはり、皆で話をしながら
時折、笑い、泣き、騒ぎ、黙り。
うるさいほど賑やかだったり、驚くほど静かだったり・・・。
そこには何でもあった。眼には見えないが、不思議とその場には
何不自由なく、すべてがあるように感じることができた。

そして
それなりに彼らが楽しそうなのは理解できたが
ただ、男には彼らから<生>を感じることができなかった。
そう、男には。


<ここから出るのは簡単だ。>
「どうすればいい。」

<・・・>
「どうすればいい。」

<コトバは簡単だ。行為は難しい。コトバを選ぶならここでいい。行為を選ぶならここではない。>
<ここにいるのは皆、コトバのみを愛した人間たちだ。>
<コトバで自分を納得させることができる人間たちだ。>
<コトバのみで夢を語り、コトバのみで愛を語り、コトバのみで稼ぐ人間たちだ。>
<コトバのみで幸せを・・・・>


男は<声>を聞き終わらない内に無我夢中で走り出した。
何故かもわからない。
どうしたらいいかもわからない。
どこに向かっているかもわからない。
それでも、自分がもてる精一杯の力で走り出した。

そこにいたくない一身で。
そこではないどこか、本当の場所へ
しっかりと両眼を見開きながら・・・。


<足は覚えているだろう。向かうべき先を。>

空


お帰り、君。



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