Leo Ashizawaの「元気でやってるよ。」「元気でやってけよ。」

自分がやりたいことを少しでも伝えるには、自分自身の中でそれなりに土台が必要です。僕の土台はこのメッセージ。これまでお世話になった人へ。これからお世話になるであろう人へ。ロンドンで活動する役者、Leo Ashizawaからの便り。

人をみかけで判断しないでおこ~ね①

夜のSalisbury


さて、ちろっとSalisburyの話をしたところで思い出した話を一つ。

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前回、話したとおり、ストーンヘンジの文献集めと、後の芝居の下見のために
短期イギリスへの旅を決行しようとしていた僕


しかーし、色々な状況が重なって、僕がイギリスに行く直前でも、ほぼお金を持っていない状態だった。
どれくらいかというと、周りから命の心配をされるほど。

しかし、こんなご時世なのに餓死・行き倒れしないか心配されるとは・・・・。

そこまでみんなに心配をかけていることとは裏腹に僕は結構、楽観的でいた。


何故僕が、そんなに楽観的でいたかというと
まず、このご時世、先進国でそんなことは起きないだろうという
どこかからモッサリと湧いてきた自信

さらに、Saliburyはかなりの田舎だろうから、真摯に向き合えば
何とか養ってくれる人がいるのではないかという安直な理由からだ。

しかも、そんなお世話になった人に何か渡せるようにと
当時凝っていてたアンティーク腕時計
特にメイド・イン・ジャパンのアンティーク腕時計を
たくさん持っていくことにするぜぇとウキウキな始末だ。


それでも僕なりの準備として、色々考えた。
頭から湯気を出しながら考えた。

『ふむ、まずは英語でどうやって養ってくれって言おうかなぁ・・・』

『んーー・・・・おっ!!いるやん!!』

まったく英語がしゃべれなかった僕は、高校・大学と英語圏に留学していた友人Hに
Salisburyの街で<見せて歩く為の英語一言メモ>を作ってもらって、町中でそれを
地元の人たちに見せて歩けばいいでないか!というとんでもない良い案(?)を思いついたのだ。

早速、友人Hに電話

「なーなー、ちょっとお願いがあるんやけど」
居酒屋で待ち合わせ。

友人Hを待つ僕の顔はかなりニタニタしていたろう。
少し遅れて友達はやってきた。

久々に会う友達にも関わらず、やっぱり気心しれた仲ってのは気を遣わなくいし
瞬く間にかつての雰囲気に逆戻りする。

「そうそう、お願いってのがな、英語で文章作って欲しいねん。
ある程度は自分でも作れるかもしれんけど、この文章は俺のイギリスライフの生命線やからなぁ。
伝わらなかったら困るし、英語ペラペラのやつにちゃんと作ってもらいたかってん。
向こうの人にわかってもらえなかったら元も子もないしな。」


「ええよ、ええよ、もちろん、んで?どんな内容?」

「んとなー、こーいう文章作ってくれへん?」

自信満々に自分が作った日本語の文章を見せる僕。



↓↓↓
「モラルの範囲であれば何でもしますので、寝るところと食べるものだけ何とかしてください。」



一見した友人Hは唖然

「何これ?」

「え?あっちで町の人らに見せて歩きたいねん。」
その汚い字で書いた日本語を読みながら
何度も僕に聞きなおす友人H。

「え?それでええの、ホンマに?それ見せて歩くん?」

「せやで、大丈夫やって。」
微塵も不安を感じてない僕。

「まぁ、お前のことやから別にええとは思うけど。」
と僕を良く知る友人H。

「でも、せめて<何でも>ってところに少し付け加えたら?」

「何を?」

「例えば、家事・洗濯・料理とか。。。。」

「おう!それいいやん、そーしてそーして。」
そうやって出来た文章が

【モラルの範囲であれば、家事・掃除・洗濯・料理など何でもしますので、寝る場所と食べるものだけ何とかしてください。】


どどん!!


それを見た僕は大満足。
それを見た友人Hはとても心配気


当時、日韓サッカーワールドカップが開催されていて
中津江村の皆様がカメルーン代表を大層素敵にお出迎えしたのを
知っていたから、それを踏まえた上で、小さな町であれば
みんな優しく温かいにきまってるでないかっ!!

という勝手な考えに基づいていた。


疑う余地はない。だって、Salisburyは小さな町だと思っていたから。
まるで、西洋人が和歌山や奈良の中心地を町田舎だと思うようなものだ。
なんとも失礼な。


それでも準備万端にすべてを整えた僕

「うっし!」

一仕事終えたような、遠足の前日にお菓子をすべて詰め終わり
感無量な表情の小学生のようだ。

3日分の下着、3日分の靴下、ジャケット・パンツ・靴すべて一つずつ。
1ヶ月ちょいほど滞在しようと思っている人間の荷物とは思えないほど
荷物は少ない。小学校の遠足リュックサックをちょっと大きくしたくらいだ。

荷物を全部詰めた後、ちょっとだけ考えてみる。


『れ?・・・これだけ?我ながら少なくね??』
でもその思考もすぐにまともに変わる。

『そらそーやな、だって、男やもん。荷物軽いほうが移動が楽やもん。いいよ、いいよ、これでいい。
大丈夫だって、問題ないって。いいよ、いいよ。』


実際問題、全然良くはない。


イギリスどころか世界を知らない男が初の一人旅に出るくせによく言ったもんだ。
井の中の蛙どころか、たまたま出来た水溜りで気持ちよさそうに我が物顔で泳いでいるアメンボくらい・・・悲しい。

だから着いた空港でいきなりトラブルに合うんだよね


洗礼ってやつ?洗礼。


つづく。




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