Leo Ashizawaの「元気でやってるよ。」「元気でやってけよ。」

自分がやりたいことを少しでも伝えるには、自分自身の中でそれなりに土台が必要です。僕の土台はこのメッセージ。これまでお世話になった人へ。これからお世話になるであろう人へ。ロンドンで活動する役者、Leo Ashizawaからの便り。

人をみかけで判断しないでおこ~ね③

Salisbury 時計台



さてさて、気がつけば
黄色いチョッキを着たマシンガンを肩から提げた相撲取りのような黒人のおばちゃんに
別室につれてこられていた僕。

出口のGATEでのおばちゃんの目線はまさに

『落ち葉の中に落ち葉を隠せたと思ったんでしょ、でも無駄よ。
おばちゃんの目はごまかせないわよ。とりわけ光ってたもんよ、怪しさ満填でさ』

そう言っているようだった。


そして一言
「こっちへついて来なさい。」


別室の机の上には僕のちょっと大きな遠足用リュックサックが広げられている。


『着いたと思ったらいきなりコレかい・・・。なんかついてないよなぁ・・・。』
そうやってボーっと椅子に座りながら別室の天井を眺めていた。
巨大なおばちゃんがボソボソ何か言ってはいるが、到底僕には何を言っているのかは
理解できない。理解できない以上、聞いていても仕方がない。仕方がないからすることも無い。


巨大なおばちゃんはどーせ、文句でも言っているんだろう何か音を発しながら
遠慮なく、僕のリュックをがつがつ物色している。

リュックからこじんまりと出てくる、あまりにも少ない着替えに巨大なおばちゃんもちょっと噴出してる。


「One month. one month? yeah?」
事前に帰りのチケット見せていたのでおばちゃんも僕が1ヶ月ほど滞在することは知っている。
にも関わらず、もう一度、「一ヶ月か?」と確認してきやがる。


「Yeah Yeah!! やっかましいねん。余計なお世話や。おばはん!お前には関係あれへんやろが。」
日本語で言ってみる。ささやかな抵抗。


不思議そうにこっちを見るおばはん、視線とは別にその巨大な手で何かをつかみ出している。


タバコである。愛煙家な僕が持参したラッキーストライクである。
イギリスは合法的に1カートンであれば持ち込むことができる。
それ以上はバレると没収、ないしは税金を払わなければいけない。
ただし、僕は1カートンしか持って来てなかったので何も心配する必要はない。


巨大なおばちゃんは僕に向かって何か話しかける。
「これ以上もちこんではいないな?」
だと思う。


「オンリーワン、オンリーワン」
頑張って答えてる僕。何がオンリーワンだ。
その頃はやってた歌の歌詞、ありがとうス○ップ、何とか通じました。




しかし、その次にリュックから出てきたものに僕は度肝を抜かれた。



おばん!それはマズい!!

完全マズい!!

それは出すんじゃないっ。




巨大おばんは遠慮もしない。透明の袋に入れられた
たくさんの腕時計をがっつりと机の上に出すおばん。


おばんの顔に????マークがたくさん浮かんでいるのは一見しただけでもすぐにわかる。

今までちょっとは和んでいたおばんの顔にも入国審査管理官的な勇猛果敢な表情が浮かぶ。

マシンガンがものっそい似合いそうな表情に変わってく。


「あー、おばん、アレ、それはアレやで、そんな商売しようとかそういうことではなくて
アノ、ソノ、タダであげようと思ってるやつやで、プレゼント、プレゼント。あげるやつ。あげるやつ。」

日本語であたふたする僕。



だっーて、だーーーーってマズっしょ。
こんな風に・・・・

その①
空港でうろうろしてなかなか外に出ない挙動不審なアジア人

その②
何かやましいことがあるのか審査官の目を盗んでGATEを潜ろうとしたこじんまりとしたアジア人

その③
一ヶ月ほども滞在するというのにちょっと大きな遠足リュックに着替えが3日分のみ。

その④
そんな小さなリュックのクセにこれみよがしと出てくるたくさんのアンティーク腕時計。



上記の証拠を並べて考えてみた誰でもできる簡単な推論。



【アンティーク時計を売り資金を作り、イギリスに潜伏し、仲間と合流し、なんならそのまま不法滞在でもしようかと考えている挙動不審なアジア人】



それならば、審査官の目を避けようとしたのも、着替えが少ないのも、たくさんの腕時計も納得できる。
しかも、電化製品というか時計というのがまたいかにもアジアっぽい。




ヤバイ、しゃばい。完全にシャバいっ。



黒っくろやん。おばんより真っ黒やん。ワシ・・・。


急に鋭い眼光を放つおばん
「これは何だ。」

確実に腕時計のことをつっこんでる。他の荷物はリュックごと違うテーブルの上に置かれ
僕とおばんは腕時計がポツンと中央に乗ってあるテーブルを挟んでいる。


ここに完全なる尋問の空間が出来上がった。


初めて踏み入れた異国の地、最初の一歩が尋問部屋ですか!?
イギリスの空気っていうかちょっとカビ臭~い尋問部屋の空気ですか!?


完全に色んなことが裏目ってるね。


可愛らしいはずの方向音痴しかり・お世話になった人の為の腕時計・・・。




・・
・・・
ふざけんなよーーーボケがっー!!!



もうええ。
もうええぞ、わかった。わかった。
しゃーない。いいわけはせーへん。正直に言うしかなかろうが。

完全に開き直ったハト、いや、僕、いや、俺。


「あ?時計じゃ時計、見たらわかるやろ?ただちょっといっぱいあるだけやん。
Watch, Watch many many watch 別に一個じゃなくていいやん。ちょっと多いだけやん。」



「○▽○××▽」


「あ?あ?ちゃんとしゃべれや。わからんねん言うてることが。これはぎふと・ギーフート
Gift!!!! 別に売るためちゃうわい。」



「▽××○◆○○×▽■」


「お前さっきから見てたらむかつくねん、何も言わずに人の荷物がっつりがっつり触り腐りよって。
何様じゃ。もうええがな、時計入ってるだけやん。人よりちょっと多いだけやん。」



「●◎▲×◇凸×凹!?・▼」

そんな感じでしばらく押し問答。
こっちは日本語
あっちは英語。


収拾つくわけがない。ただ、ソノ中でも俺は、しゃーないから英語混ぜてしゃべったった。
もちろんわかる範囲で。それでも何というかな、気持ちは伝わるというのかな。


最後はおばんが諦めた形で収拾ついた。



俺、完全、勝利。



マシンガンをもった相撲取り級のおばんに勝利。
大逆転である。誰が不審なアジアのハトの勝利を予想したろうか。



ご満悦な表情でリュックを提げながら尋問室を後にしようとする俺。
右肩にリュックを提げ、左肩で風を切ろうとする俺。


「WAIT!!」
まだ、おばんが何か言っている。いや、違う出口を指差している。
どうやら、俺が間違った方向に進んでいこうとしていたようだ。

『すまん、おばん。また方向音痴を発揮するところやったわー。はっはっはっはっは。』

『おばんも最後はなかなかええヤツやったのぉ。』

そう思いながら、俺はおばんが教えてくれた出口から外に出た。
しばらく通路を歩くと、おおぉ、そこを出れば、もうイギリス国内ね、という場所までやってきた。

と思いきや

こんどは巨大な黒人と白人、ていうかたくさんのデカイ人たち。
もちろん揃いも揃って肩からは例のドドドドドを提げている。

俺を見るやいなや

「Passportを見せろ」

あっけにとられた俺は呆然とパスポートを見せる。
すると、コピーが云々とか言いながら、そのパスポートを持って奥に消えるデカイ数名。

『何やねん・・・コレ』

しかし、ちょっと離れた敷居の向こう側では難なく、通り抜けていく人たちが見える。ちょっとした笑い声も聞こえる。
ちっ、それに比べて、この出口には俺一人しかいないやんけ。



ん?



ん?ちょっと待てよ・・・。



ん?やられたぞ、おばんに。さっきの出口は怪しいヤツ用ってことか。



俺のことかーーーー!!??





(クリリン)、完全、敗北 by国家権力(フリーザ)





つづく・・・・・・。

1 Comments

-  

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2007/12/02 (Sun) 13:34 | EDIT | REPLY |   

Add your comment