Leo Ashizawaの「元気でやってるよ。」「元気でやってけよ。」

自分がやりたいことを少しでも伝えるには、自分自身の中でそれなりに土台が必要です。僕の土台はこのメッセージ。これまでお世話になった人へ。これからお世話になるであろう人へ。ロンドンで活動する役者、Leo Ashizawaからの便り。

青い空と大きな時計

青い空と大きな時計


深々と降る
雪が降る

冬には両天辺に白髪頭のように雪を蓄える城の塔

北塔の天辺
赤いカーペットに青い天井、緑の壁に囲まれた部屋。

真ん中に二つのシングルベット。二つはしっかりとくっつけてあり、一つの大きなベットになっている。
ベットの頭側の壁には壁一面に大きな本棚。上のほうには辞書のように分厚い古い本がたくさん並べられ
真ん中の段辺りにはたくさんのパペットが棚を椅子のようにして、ちょこんと座っている。
下のほうの段にはほとんど何も入ってはいないが、3冊だけ背表紙が奥になった本が置いてある。
見た目は新しい本のようだが、埃まみれになっている。

一つだけある扉の周りには、ちょうど扉がなんとか開く程度のスペースを残し、
白地に紫色のアルストロメリアがところせましと花瓶にすえられ置いてある。

一見・・・素敵な部屋だけれど、分厚い鉄格子のかかった大きな唯一の窓が部屋を少し重苦しく演出していた。

窓際には吸い付くように置かれている古びた小さな小さな子供用の椅子
背もたれが不自然なほど長く、後から継ぎ足されたのか、木目の色はまったく違う。
背もたれの一番上の部分には赤いレースが巻きつけられ、それがカーペットまで伸びていて
まるで、しっかりとカーペットに固定されていて、その場所から、まったく動かせないように見えるほどだ。

その椅子に
大柄な男がちょこんと座っている。

大柄な男は窓ガラスに限りなく顔を近づけ
両手をしっかりと合わせ、股の間に挟みながら、ずっと外を見ているけれど
暖房でじんわりと温まった部屋で吐く大男の息は、すぐに窓ガラスを
曇らせてしまう。

大柄な男はそれが嫌いだったようだ。
窓ガラスが曇るとすぐに、黒ずんだシルクシャツの右袖でふき取っている。
何度も何度も繰り返す。時々、息を止めて窓ガラスが曇るのを防ごうとするが
しばらくするとまた、それすらも忘れてしまう。

綺麗なシルクのシャツだったのだろう。
右手の袖以外は若干黄ばんでいるだけで、まだ気品を漂わせている。
裾が大きく広がった臙脂色のズボンも少しくたびれてはいるけれど
大柄な男の身体にしっかりとなじんでいて、特注で作られたような
先のとがった黒い大きな革靴だけは、新しくはないものの
しっかりと光沢を残している。

長い間、ほったらかしにしてある好き放題に伸びたボサボサの髪の毛は
天然のクセのおかげで綺麗にまとまっている。

大柄な男

彼は自分をダンカンと名乗っていた。



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