Leo Ashizawaの「元気でやってるよ。」「元気でやってけよ。」

自分がやりたいことを少しでも伝えるには、自分自身の中でそれなりに土台が必要です。僕の土台はこのメッセージ。これまでお世話になった人へ。これからお世話になるであろう人へ。ロンドンで活動する役者、Leo Ashizawaからの便り。

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楠原映二 Eiji Kusuhara

楠原映二


ずっと考えていました。書こうか書くまいか。
こうやって誰でも見ることができるオンラインという媒体に。

長くなります。覚悟してください。
短い文章では書ききれません。


他人の目を気にしてしまい、自分が映二さんの事を書くことでその恩恵を受けてしまうかもしれないということに嫌悪感を抱いてしまっていました。

僕がこれを書く気持ちが自分が思っている理由と他の人が何故僕がこれを書いたかという理由にズレが生まれてしまう事に嫌悪感を抱いてしまった。


だから躊躇していました。

でも、今日、たまたま、何故か映二さんをオンラインで検索していました。
そこに京子さんからメールを頂きました。


今日付けのイギリスでも有名なガーディアン紙に
映二さんの訃報が掲載されました。



僕はふと思い出しました、高校サッカー部(新撰組)の信頼できる仲間との誓いを。


『もし俺たちの中で誰かが先に死んだら、その葬式では一人ずつ、そいつの思い出を語りながら酒を飲もうな。自分とそいつの特別な思い出を忘れずにいるんだぞ。そして、それを作るんだぞ。それより素敵な弔いはないからな。』


さらに思い出しました。
それを言ったのは、僕だったということを。


今日、こうして映二さんの話を書くのは、
日本人役者として多大なる影響をイギリスに及ぼした彼の存在。
そして、年齢に関係なく、役者というより、芸術家として面白いものを為に魂を削りながら生きてきた映二さんの存在を、少しでも、色んな人に知ってもらいたいからです。


シェイクスピア発祥の地として、イギリスで芝居を、役者として活躍することを夢見てやってくる若い役者達が、これから今まで以上にたくさんいるでしょう。

ただそこに、イギリスで日本人の役者が
活躍できる場所を生み出してくれた
映二さんの存在を皆に覚えていてもらいたい。

だからこそ、僕の知る映二さんをこの場を借りて語らせてもらいたいと思います。

人は永遠に誰かの中で生き続けると僕は信じています。
そうやって世代は受け継がれ、思想や思念は受け継がれ、素晴らしいものが生まれていくのだと信じています。

このようなオンライン環境ができるまでは書物と口答でしか
人が語り継がれることはありませんでした。


だからこそ、皆さんにここでお願いがあります。


僕のブログを見て頂いている方はそう多くないと自分でもわかっています。
ただ、このブログを読んで下さった方でブログを持っている方、何かしら自分を
オンラインの世界で表現できる方。

楠原映二という人間が、日本を離れ英語圏で日本を代表する役者として
日本人に路を切り開いてくれたということ伝えてください。



日本に住んでいる方にすれば聞いたことがない名前かもしれません。
名声と存在が等価価値でないのはこのメディアが発達した時勢では仕方がありません。
ただ、それでも大きな橋を渡してくれた、彼の存在が少しでも多くの人に届くように。





楠原映二

1972に東京キッドブラザーズと共に渡英して、ロイヤルコートシアター、ハムステッドシアターに出演。1973年、ツトム・ヤマシタのレッドブッダシアターに参加して、欧州とアメリカを巡演。1975年に英国へ移住し「Tip Top Condition」など、劇団ルミエール アンド サンの数多くの舞台に出演し、ロイヤルシェイクスピアカンパニー、オックスフォードプレイハウス、ブリストルオールドヴィックなどでも活躍。テレビの出演も多く、人気番組「Tenko」ではレギュラーで出演。映画には、「エレファントマン」(デイヴィッド・リンチ監督)、「アイズ ワイド シャット」(スタンリー・キューブリック監督)、「Topsy - Turvy」(マイク・リー監督)など。最近の舞台ではイエローアースシアターの「魚の祭り」に出演。
(Ichiza「一座」HPより抜粋)

さらに
1980年代にはBBCドラマTencoに出演、また人気番組Banzaiのナレーターとして活躍。日本では90年代にフジTV系列の伝説の番組「ハロー・ロンドン」、「英国生活」で司会者をされていました。また、2007年にはイギリス発の日本人劇団、<一座>の公演として井上久の戯曲『父と暮らせば』の父親役をイギリスの有名なFringe劇場で演じられました。


映二さんとの出会いは知り合いからの紹介でした。
初めてお会いした時、自分の思いを伝えた時、正直腹がたちました。
自分のすべてを否定されたようで。
今でも覚えています。

E「お前は役者に向いてないよ。その内日本に帰るだろうな。」

G「向いてるか向いてないかは自分で決めます。他人に言われたくないです。」

E「・・・それでいいんだよ。はっはっは。」(映二さんは繊細な人なのに豪快です。)


E「何で日本でやらねぇんだ。日本で売れねぇ奴はどこで芝居したって売れるもんか。」


映二さんとは

んなことや
あんなことや
こんなことや
そんなことや
ほんなこと

がありました。


僕の始めた一人芝居を形作ってくれたのは映二さんです。

「演出するよ。」

そう言って下さったのは今でも忘れることができません。

稽古をつけてもらった2ヶ月間。

むかつくんだこれが、

やはりすげー役者さん。

なんっつても、上手いの。

やっぱり、しょぼい僕が要求されるクオリティーができないときは
映二さんが自分でやってしまう、それが本当に上手い。


毎日稽古に行く度に新しいアイデアを僕に提示してくれる。
ある程度、形ができていたとしても、関係ない。少しでも作品を良くするためには形を崩すこともなんとも思わず、新しいもの実験的なもの、新鮮に生み出されたものをふんだんに稽古に取り入れる。


罵詈雑言などあたりまえ、良い作品をつくるためには。


実際に、その作品『First Impressions!』は素晴らしい評価を受けた。
正直なところ、映二さんが面白いからやってみろ、と言ってくれたことを100%理解できないまま、そのテイストを感じ、作りあげたものが素晴らしい評価を受けた。


お客さんからの評価もすごかった。

「こんなに笑ったことはない。」
「持ってるビールが飲めないくらい面白かったよ。」


今、一人になった僕が同じクオリティーの違うものを作ろうとしたところで、僕は、まだそこにはたどり着けない。映二さんが見ていたほど、明確にしっかりと面白いものを顕微鏡で見るように詳細には見れない。


霞んでいる霧が何色に照らされているかは理解できたとしても
霧の成分を分析するほど、僕はそこで、できあがってはいない。




だから、だからこそ、僕をもっと見ていて欲しかった。




一度も直接褒められたことがなかった。一度、直接褒められたみたかった。
自分が自分自身で作り上げたものをみてもらいたかった。



それを京子さんに伝えた時に言われました。



「手を抜いたら駄目だよ。いつでも、映二君は見てるからね。」



弟子は師匠を超える義務があります。
おこがましいけれど、僕は自分で、映二さんの芸術家としての
観点を受け継いだ人間だと思っています、弟子として。


それを僕自身、残す義務があります。
それ以上に、そこが見たい、映二さんが見ていたモノが見たい。


いつそこにたどり着けるかはわかりません。
でも、それが僕の新しい目標にもなりました。


人は誰かの中で生き続け、そして、伝えられていく。


映二さんのおかげで、この先、僕がどれだけ売れることができたとしても
一人芝居は僕のライフワークです。



そして、映二さんが抱えていた芸術家としての核は
僕の中で脈々と生きています、必ず伝えられていきます、
そうやって、永久に行き続けることでしょう。



それだけのものを残したのですから。



僕が映二さんに会うのはまだまだ先になるでしょう。
会えるのを楽しみにしています、今度は褒められるように。

それまで僕は
「元気でやってるよ。」

だから映二さんも
「元気でやってけよ。」


作・演出:楠原映二
作・役者:葦澤乾宮

First impressionS!





皆さんの手段を使って伝えてください。
偉大な役者がここロンドンにいたことを。

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- 4 Comments

muchin  

初めまして。shota君のブロ友のmuchinと申します。先日たまたまBlog拝見しまして、これは沢山の人に知ってもらわないと思い、自分のBlogでも紹介させていただきました。

2010/06/02 (Wed) 15:02 | EDIT | REPLY |   

ゲンクウ  

>muchinさん

ありがとうございます。ブログ拝見させて頂きました。
人の記憶に残ることで人は永遠に行き続けますもんね。
どのジャンルであれ偉大な人の功績は語り継がれていってほしいものです。

2010/06/05 (Sat) 20:59 | EDIT | REPLY |   

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2010/08/28 (Sat) 06:19 | EDIT | REPLY |   

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2010/10/02 (Sat) 13:35 | EDIT | REPLY |   

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