Leo Ashizawaの「元気でやってるよ。」「元気でやってけよ。」

自分がやりたいことを少しでも伝えるには、自分自身の中でそれなりに土台が必要です。僕の土台はこのメッセージ。これまでお世話になった人へ。これからお世話になるであろう人へ。ロンドンで活動する役者、Leo Ashizawaからの便り。

パプリカ

パプリカ

今敏さん・・・。ジャパニメーションといわれるジャンルを確立した日本アニメーションを担った大友さん、宮崎さんそして、今敏さん。なんてこった、この才能が今ここで摘まれてしまった。まだ4本しか長編を取っていないのに・・・。【パーフェクト・ブルー】【千年女優】【東京ゴッドファーザーズ】そして【パプリカ】。
まだまだこれからだったにも関わらず、逝ってしまわれた。

まだ僕は【千年女優】を観ていません、でもこれから観ます。【パーフェクト・ブルー】は劇場で観ました。当時仲の良かった女の子とこの作品を見たのですが、その子から若干さげすんだ目で見られたほど、当時は映画館でアニメーションを見ることは、ジブリやディズニー以外ではありえないことでした。新しい可能性を見出した【パーフェクト・ブルー】

彼の作品は、劇中でも台詞の中で使われているように「イマジナリーラインを超えてしまってるぞ」というのが、一番地にあっているように思えます。

一般の人が考える、この出来事はこーであーだから、そーなる。というラインを作品というものの中で完全に昇華してしまい、その行為、行動自体はまったく意味を成さないものが、特異な環境だからこそ、逆にリアルに<感じる>という異化作用(効果)を地で行っています。舞台作家ではベルナルド・ブレヒトがこの異化効果をふんだんに舞台に取り入れました。ちなみに彼は、今僕が、稽古に励んでいる作品の作家です

例えば僕の一人芝居の中でKENが床を掃除するシーンがあります。箒とちりとりをつかって掃除するよりも、KENが自身の手につばを吐き、その手で床を必死でこすっているほうが実は生で観客が見ているときには、より掃除しているように見えるのです。

どのようにすればその土に埋まって見えない根っこを見せることができるのか。ただ単に引っこ抜いて、それを見せるということが実際に根っこというものを見せることにはつながりません。本当に何かを観客に伝えたい場合、それを考えるのは必須ですから。

ちなみに、そういうものをあえて取り入れず、作品を物語るのに特化しているのが、僕の愛読書、週間少年ジャンプなんですけどね。


話を元に戻すと、今敏さんの作品は常にこの異化効果を映画に映像に昇華させ、でも根本は人間をしっかり描いているのだと思います。パプリカのシーンの中で、時田君と敦子のとてつもなくロマンティックなシーンがあります。これは異化効果が成せる最高のロマンティックなシーンです。観ている僕は物作りする人間として鳥肌が立ちながら、一般のお客さんとしてその美しさに涙を流しそうになりました。現代の精神面での美女と野獣のからみです。それが美しいんだ。

もし、次回作が実現していたとしたら、絶対に、もっともっと、ある種ぶっ飛んでいたものになっていたでしょう。それが観たかった、どこまで飛んだとしたら、届かなくなるのか、届くのか、その境界線を広げてほしかった。【パプリカ】はそういう意味でも挑戦だったのではないかと思います。



・・・さて、映画草子、、、徒然と。


パプリカ
長編アニメーション
監督:今敏
出演者(声優):林原めぐみ/古谷徹/江守徹/大塚明夫/山寺宏一



で、またこの音楽がたまりません。平島進さんがすばらしい。



声優陣に脱帽。こんなに超一流が集まったら反則でしょう。声優が持ち込むものは素晴らしい。たとえば、有名で素敵な声を出すを声優がある作品に出演するということは、「あの映画にジョニーデップが出てるらしいよ」という事と同等だし、もちろん、有名な役者が声で出演するということケタ違いに作品に深みを生む。

この【パプリカ】という作品はアニメーション映画の中でも、舞台に近い総合芸術を体現している作品なんだろう。DVD、買いに行きます。時田君と敦子ちゃんのシーンは何度みても飽きないし、素敵な気分にさせてもらえるから。

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