Leo Ashizawaの「元気でやってるよ。」「元気でやってけよ。」

自分がやりたいことを少しでも伝えるには、自分自身の中でそれなりに土台が必要です。僕の土台はこのメッセージ。これまでお世話になった人へ。これからお世話になるであろう人へ。ロンドンで活動する役者、Leo Ashizawaからの便り。

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海外での冒険

ここ数ヶ月、2度ほど海外に行っていました。スペインとリトアニアです。

両方とも初めて訪れた国でした。

スペインはバルセロナ、リトアニアはカウナスとヴィルニアス。


バルセロナはスペインの中でもカタルーニャといって
常に歴史と強国の間に揺さぶらてきた地域で今でも

「自分たちは、スペインの他の地域と違う、独立すべきだ」と主張している地域です。

イギリスのスコットランドの状況と似ていますが、大きく異なるのは、スペイン的には、バルセロナはスペインの首都ではないけれど、第一都市なので、ここが独立してしまうと、スペインが危機に陥るわけです。まぁ、イギリスでいうと、ロンドンが独立するのに近いのかな、経済という意味では。

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で、バルセロナというと有名なのはピカソ、ガウディ。

ピカソ博物館はとても素敵です。ピカソの絵を見ながらピカソの一生をうまくフォローすることができる。青の時代のコレクションを一度、日本の展覧会で見逃したことがあったので、ここでキャッチアップできたようでした。ただ、現代のピカソが驚異的に有名になってからの作品があまりなかったな。おそらく、その頃の作品は世界各国に散らばってるんだろう。(有名な「泣く女」もロンドンのテートモダンにあるもんね。)


今、ちらっと調べてみたら、「ゲルニカ」はアメリカにあるんだね。

見たかったなぁ。


それからガウディの建築。正直なところ、生でみたサグラダファミリアには呆然としてしまいました。

晴れて乾燥していたにもかかわらず、蜃気楼のような、オーラのような
そんなまどろんだ何かが噴き出していた。

そう、海の中で暖かい水が湧き出ているような。

中からも、外からも。いろんな建物を見てきたけれど、体の内側から炭酸が噴き出してくるような、コダマがカタカタ暴れるようなそんな感覚になったのは、初めてじゃないかな(建物って意味でね。)
後は、ピラミッドだな。

バルセロナは大きな町でなおかつ徒歩圏内にビーチもあるというリゾートとしても最高な場所で、

「おい、Leo。俺はさ、もうこのイギリスの天気にうんざりだ。俺には太陽が必要なんだ!」

カナダ出身の僕の友達は、そう言って数週間後にはバルセロナに引っ越しました。かくいう彼はスペイン語を話せないけれど、その腰の軽さはすごいね。それに彼は、イタリアとカナダの二重国籍だからEU圏内の移動、在住、就労は自由。改めて、EUという巨大な器を感じました。


僕らが行った頃は9月の終わり、それでも暑い日は30度近くまで気温はあがり、湿度はなくとても過ごし易い(暑い!)日と、そして豪雨の日を体験しました。あの豪雨はすごかった。もう道路で泳げるんじゃないかって。


どこからともなく、100円で買えるような折り畳み傘を1000円くらいで売りつけてくる人たちが現れます。バルセロナは小道が多いからその小道の隙間から皆、一様に揃って黒い傘をさして出てくる姿は、映画「ゴースト」で死者の魂をひっぱる黒い影(死神)が路地の隙間から現れるようで、ちょっとゾッとした。


「いりませんよ。」


「800円では?」


「いや、だからいいって。」


「500円?」


っていう押し問答がちょっとだけ。

おし、死神じゃねぇ。


とはいえ、傘を買わず雨宿りをしながらちょっとずつ移動してホテルを目指してました。・・・というのも僕が大をもよおしたからね。大(No2ともいう、英語では。)、いやNo2をもよおすと、そこから発射までの時間は極端に短いわけです。小よりも我慢できないこと、普通だ。僕にとっては。


近場で探せばと思うかもしれないが、海外のトイレ事情はそう簡単ではないし、そういう不確定要素を考慮するよりも、単純に徒歩圏で帰れるホテルの方が確実だ。



僕と相方のM氏は、弾丸を避けながら雨のような弾丸を浴びせるトーチカへと向かっていく兵のように塹壕から塹壕へ小走りで走っていく。僕の新しい一張羅の白いTシャツは弾丸が皮膚をかすめて飛んでいく傷から出血した血でどんどん黄色くなっていく。。。

「黄色?」

「LeoのTシャツ黄色よ、なんで?さっきご飯食べたときのソース飛ばしたでしょ?」

いやいや、俺は子供か。

「うっわー、まじで。なんでだこれ。洗ったらとれるよね。」

「大丈夫だと思うけど。」


そう言いながら、二人はどんどんトーチカに近づいていく。後数十メートルというところで、飛んでくる弾丸の量が半端なく大きくなる。地面を打つ跳弾の音と荒れ狂う機銃の音で実際には何も聞こえない。

「X◯△。。!ッX」

「え?何?何言ってるか聞こえない!」

「なんか、Tシャツがどんどん黄色くなってってるよ!」

それはそうだ、どんどん傷口が広がっているのだ。早く進まないと危険な・・・・

「は?なんで?」

「あ、帽子!」

そう、僕のトレードマーク。もう10年以上は気に入って被っている茶色の皮の帽子、この帽子のおかげでジョニーデップさんと間違えられて何度もサインを求められたことがあるくらい、なんというか・・・幸運の帽子だ(マジか?)。

この帽子があまりにも雨に濡れすぎて色がおちてきているだ。

確かに今まで十数年間この帽子がこんなに濡れたことはない。もう、確かにビットビトだ。

なんというか、クタクタになってかわいそうな感じだ。


それに白いTシャツ、いやもとい、黄色の水玉のTシャツは、服を着たまま水泳にいったのかというくらいびしょ濡れだ。もう、トーチカどころではない。気がつけばあまりのショックでNo2も僕に遠慮したようだ。


・・・ね、バルセロナの天気は亜熱帯といってもおかしくないくらいのスコールがあるようだから、
気をつけて下さいね。

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でもご飯もお酒も美味しい素晴らしい場所です。ご飯を食べながらお酒を飲むという習慣のある僕ら日本人には、スペインのタパスは本当に口に合うと思う。





そして、一方のリトアニア。

この国の面積は北海道よりも小さいそうです。その中に千にも及ぶ綺麗な湖がたくさんある元ソビエト連邦、そして、ヨーロッパの弾薬庫と呼ばれたバルト三国の一国。



飛行機に乗る当日にいきなりこのリトアニアの友達から電話があった。

「念のために、水着もってこいよ。」

その一言だけで聞いた後、電波が悪かったのか電話が繋がらなかった。



カウナスの空港についた瞬間凍てつく風が僕らを襲う。

「これむっちゃ寒くね?」
僕、M氏、Tくん、Eくんは顔を見合わす。


いやいや、本気の冬じゃん。気温を調べてみると、0度。
どうやら日中でも4度、5度くらいらしい。10月の中旬で。


友達Aくんは笑顔で僕らを迎える。半年ぶりの再会だ。

「冬はマイナス20とか30度になるから、秋はこんなもんだよ。」

こんなもん・・・って。すんげー温度差だよね。
夏は30度くらいまで上がるらしいですから。

僕も他の友人たちもM氏も、確かに真冬の格好をしてこいと言われたけれど、ここまでとは・・・。
真冬のロンドンより寒いもんね。


「それにここ数日でものすごく寒くなった。」


おいおい、それを言えよ電話くれたんだったら。水着ってなんだ。


久しぶりの再会で少しテンションが上がったEくんが早速確認する。


「水着って、凍った池にでも飛び込むのか?エクサイティングだな!」


「凍ってないけど、飛び込むためだぜ、池に。」

なんだそれ、なんでリトアニアくんだりまでやってきて、
極寒の秋の池に飛び込まなきゃいけないんだ。

一瞬、凍てついた空気にダイアモンドダストが見えた気がした。
特に、1週間前サッカーで右足首の靭帯を伸ばしてしまい
松葉杖でリトアニアに上陸したT君の口からは、吹雪がひそやかに出ている気がした。


そんな空気を察したA君が言う。


「サウナだよ。カントリーハウスで泊まるんだけど、そこにはサウナがあるんだ。」

「あー、なるほどね。サウナか。」

「でも、サウナで温まった体を冷やすために池に飛び込むんだ、すぐそこにある。」

結局飛び込むのか。
なんだか、展開に予想がつかないが良しとしようじゃないか。

Tよ、お前は飛び込むんじゃないぞ。


車に乗り込んだ僕らはそのままA君の彼女の実家に直行した。豪邸だから全員が楽に泊まれるということで。
部屋のいたるところに鹿の頭蓋骨が飾ってある。動物の毛皮のマットもたくさんある。彼女の父親はハンターだ。


料理もしっかりと用意されていた。

「昨日まで森の中を走り回っていたイノシシだぜ。」

さすがは、ハンター。

野菜やピクルスも自家製だ。そして、ウイスキーまで、自家製だ。
トマトのピクルスは初めて食べたけど、ものすごく美味しかった。

昨日まで森をかけていたイノシシさんも物凄く美味しかった。
いただきました。ありがとう。


カウナスの町は、旧市街と新市街に分かれていて、旧市街は
やはりいわゆる<東側>の足跡を残しているとても美しい町だった。

ちなみにもう一つ嬉しかったのは、パブが朝まで空いてること。
イギリスではパブは11時に閉まるので、それ以降はほぼクラブか喧しいところに行くしかない。
(もうクラブを喧しいところというようになったらおっさんだね。)

リトアニアではチョイスがあるのだ。
やかましいおっさんが好まないところと、やかましくないおっさんが好むところと。

久々に再会だ。やっぱりじっくり酒を飲みながらしゃべりたいじゃーないか。

そう思っていると気がつけばやかましいところで、たいそう飲んで出来上がった僕がいた。

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カウナス最高。


ツェペリナイというモチモチのポテトの中に肉団子が入っている名物料理も食べた。
何を食べても美味しいし、安い。イギリスの5分の1位の値段でなんでもまかなえる。

湖も行ったし、首都ヴィルニアスにも行った。

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お約束のアクシデントにも見舞われた。


カウナスでT君が酔っ払って帰り道の森の中で寝転がって携帯を無くしたけれど、
各員が携帯のライトを煌々と照らし、懸命のローラー作戦でなんとか見つけた。
にもかかわらず、また翌日にヴィルニアスでも携帯を無くした。
もう、彼の元を去る運命だったのだと思うしかない。


松葉杖の彼を引っ張り回した挙句、携帯までなくなった彼は言った。

「こんなに歩くなら、携帯までなくすなら、知ってたら来なかった。」


僕らは黙って2本目の自家製ウイスキーをボトルから飲んだ。
グラスには移さずに。20回目のショットだ。初日から数えることにしたから。



最終日の前日、ついに噂のカントリーハウスにやってきた。
天候には見舞われなかったけれど、文句はいえない。雨のおかげで寒さがマシになったから。
カントリーハウスに向かう途中のスーパーによると、バーカウンターでドラフトビールのペットボトル詰めをみた。

イタリアやスペインでは、ワイン屋さんに樽があって、そこにペットボトルを持って行ってものすごく安い値段で
ものすごく美味しいワインをこれでもかという量購入できるのに、感激したのを覚えているけど、まさか
そのビールバージョンがあるとは、リトアニアすげー。そして、うん、ロンドンの5分の1位の値段だ。

カントリーハウスはまさにカントリーハウスですぐそばに池があった。

「釣りもできるぞ」

そう言われていたので、楽しみにしていたのだが、実際は小さい池でさらにほとんど干上がっていた。
飛び込む用に桟橋がある。ただ、そこは完全に干上がっているから確実に泥に突っ込むことになる。
この距離から突っ込んだら地面にめり込んでぬけーねーぜ、オイ。

「あのさ、これ飛び込んだらやばくね?痛いよ。それか抜けないよ。」

「大丈夫、あっち側あるだろ、あっち側は深いんだよ。心配すんな。」


おっけー、もうここまで来たらなんでもおっけー。


真冬の寒さの秋にパチパチといこる炭。リトアニア版BBQだ。

雨が上がった空の向こうに随分前に太陽は沈み、あたりおそらく数キロ圏内にはまったく
明かりのないこの場所では、夕方の群青の青空と、やがてやってくる夜の闇が水平線で
混じり合わずくっきりとした線をみせていた。

風の音以外は何も聞こえない。


遠くから、声が聞こえる。

「飯できたぞー!」

灯台の明かりだけを頼りに航海をする船人のように、
カントリーハウスの明かりと食欲をそそる匂いにひかれるように小走りで戻っていく。


いろんな種類のビールを飲んで、豚肉の角切りの串刺しを食べ(うまいんだ!)
徐々に夜が盛り上がってくる。そう、例のサウナに向けて。
気がつけばA君は、水着姿になっている。腰に手をおき、「いくぜ」の格好だ。


全員が水着に着替え、サウナに入り込む。なんとまぁ、本気サウナだ。
暖炉の火を利用したサウナで、リトアニアで暖炉のある家ならどこでもあるらしい。

体の芯からジワジワ汗が噴き出してくる。あー、サウナは苦手だ。長居できないから。
A君も同じようで、僕に声をかけ、僕らは外へ出る。マイナスの世界だ。でも、まったく寒くない。

僕は誘われるように、池のほとりにまでやってきた。

「カモン!」と同時に豪快に頭から飛び込むA君。
なんだかよくわからず「オーケー!」と叫び豪快に飛び込む僕。


確かに深い。足がつかない。ちょっとだけ足の裏に藻がソワソワしてる感じがするけれど
なんのことはない。ただ、信じられないくらい水が冷たい。氷水でもこんなに冷たくならないぞ。


泥まみれになりがなら池から上がった僕に お そ ら く 満面の笑みを見せるA君。
真っ暗でほぼ、A君の顔すら見えないのだ。あたりは完全に漆黒の闇が支配している。
地平線に見えていた夕方と夜の境目はいつの間にかなくなっている。
少し風が強くふきだした。


そこに松葉杖の先をぬかるんだ地面にめり込ませながらT君がやってきた。


「どうだ、池の水?」

「冷たい。冷たすぎる。氷水でもこんなに冷たくならないぞ。」

少し考えた(だろう)T君が言った。(ちゃんと表情が見えないからね。)

「俺さ、アイスバケットチャレンジやってねーんだ。そんだけ冷たいなら代わりにポンド(池)バケットチャレンジやれるんじゃないか?」


また何て事を言い出すんだ。地面に松葉杖めり込ましているクセに。


「わかった。やろう、おいAちゃんと撮ってくれよ!」


言い忘れたが、A君はプロのカメラマンだ。彼はとてもいい写真を撮る。
実は、僕のプロファイル写真はほぼ彼が撮ったものだ。


僕らはみんなでサウナに入る。30を超えた大の大人が水着姿の酔っ払いで本気の打ち合わせをする。
ただ、池の水をくんでTにかけるという件だけだ。


ヨーイどんの合図で温まった体をサウナから引きずり出す。
A君が持つカメラとカメラの明かりを元に、バケツをかかえた僕は走り出す。
池に向かって。


ただ、先ほど飛び込んだ方向とは違う。


おいおい、A。そっちは桟橋だぞ。


そっちから飛び込んだら、干上がった池の底に突き刺さるぞ。


「A、そっちじゃないって。突き刺さるって!やばいやばい。」

そう言い走りながら軌道修正をした僕は、T君が松葉杖の先をめり込ませていたぬかるみに
足を滑らせ豪快にこける。あたりにキャーという女子の黄色い反応と笑いが起こる。


いやいや、俺は怒ってるよちょっと。痛いもん。


それでも僕は走りに走る。相変わらず暗闇に支配されたカントリーハウスと池のほとりの視界は悪い。
ようやく飛び込みスポットに到着した僕は今度は頭から豪快に飛び込む。

人間慣れってのは怖いもんだ。


あふれんばかりの池の水を汲んだ僕は、必死で泥に滑りながらも池から上がりT君の元に走っていく。

もう上も下も横も何にもわからない。ただ、A君の持つカメラの光を元に走っていく。

徐々にT君の「こっちだ」「こっちだ」という声が大きくなる。

185cmちかくある大男のT君が大の字で寝転がっている。
松葉杖を含めるとまさに巨人だ。


「カモン!」「カモン!」


今日はカモンを何回も聞く。やれやれ。


池の水がバケツから滝のように流れる。口に入ってしまいむせるT。

起き上がろうとして松葉杖が地面にまためり込み転びそうになるT。

そんな姿を尻目にサウナに直行し、体を温める僕。

汗を流すとなんだか脇の下がしみるなと思うとなかなか豪快な擦り傷をつくった僕。



ケタケタ笑うA君。



「俺、いろんなことあったけど、本当に来てよかったぜ、リトアニア!」

そういってT君は、3本目の自家製のウイスキーをボトルから飲んだ。
喉で60度もあろうかという若い、浅いウイスキーを笑顔で流し込んだ。

グラスには移さずに。

もう30回目以上のショットだ。

数えるのは・・・やめた。



翌日、A君の母親の家にお邪魔した。

おじさんは大きなパイク(カワカマス)を早朝に釣りあげて帰ってきていた。
そのパイクを綺麗に捌いて僕らみんなに振舞ってくれた。
僕もイギリスで釣りをして何度か釣ったことがある魚だけれど、

まさか食べるものだとは考えたこともなかった。初めて食べたパイク。
あっさりして肉厚でとても美味しかった。
いただきました。ありがとう。

他にもたくさんの魚を釣ってきていた。

A君がぼそっとそばで言った。


「彼もハンターなんだぜ。」


リトアニアはどうやらハンターばっかりらしい。
(A君もそういっていた。)


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ね、しばらくご無沙汰してたけど、

僕は元気でやってるよ。みんなも元気でやってけよ。



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ちょうど、バルセロナとリトアニアの間に、1日だけですが久しぶりにお客さんと絡むインタラクティブパフォーマンスに参加しました。大英博物館で。一般公開ではなかったので、皆さんに告知できませんでしたが、ちゃんと仕事も頑張ってます。



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