Leo Ashizawaの「元気でやってるよ。」「元気でやってけよ。」

自分がやりたいことを少しでも伝えるには、自分自身の中でそれなりに土台が必要です。僕の土台はこのメッセージ。これまでお世話になった人へ。これからお世話になるであろう人へ。ロンドンで活動する役者、Leo Ashizawaからの便り。

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僕らの想像が現実となった日①

夕焼け染まる空の下
僕はずっと雲と雲の狭間を眺めていた。横から顔を見せる橙色の光は眩しく、直視する眼を拒んでいるようだった。
僕はずっと見つめていた。雲と雲の狭間を。
余所見をすることなく、ずっと・・・ずっと。



家の近くには、大きな大きな公園がある。
最寄り駅からずっと坂を下っていくと、その公園にたどり着く。近隣では有名な公園

公園が見えてくると同時に、シンボルのような噴水が見えてくる。三段型の噴水で夏の間しかちゃんと働いていない。それ以外の時期は巨大な水槽のようになっている。
一時、その噴水の一段目のフナが大量に発生したことがあった。近所や学校でも、ちょっとだけ評判になっていた。


「知ってるか?噴水の中に、めっさいっぱいフナおんねんで!」
「知ってる。知ってる。何でやろなー?普通ありえへんで。」
「さぁ?あの噴水どっかと繋がってるんちゃう?」
「うそー。俺みたことあんもん。全部。どことも繋がってないで。」
「そっかー。んなら、どうやって出てきたんやろなぁ。誰か卵入れたんちゃう。」
「でもちっちゃいのおらへんで。」
「ホンマやなぁ。」
「じゃぁ、おっきいやつを誰かが入れたんちゃう。たぶん、おっきいやつやし、大人やで、大人!」
「そうやで、そうやで。誰かのおかんか親父ちゃうか?それか先生かな?」
「んーーー、誰なんやろなぁ・・・」


87匹のフナ。僕だ。


噴水の近くには小さな川が流れていて、タガメやミズカマキリ、ゲンンゴロウ 綺麗な川にしかいないような生き物もいた。
膝までズボンをめくりあげ、水の冷たさと、足の裏で感じる川底の砂の感覚・・・僕はどろんこになるまで遊ぶのが大好きだった。
小さな川の目的は四つある溜め池の二つを繋ぐことだった、と思う。

一番大きな池は手漕ぎボートや白鳥型ボードを漕げるような池
中ぐらいの池は一番深そうな池
ちょっと小さい池は釣り人の池
一番小さな池も昔はボートを漕げるような池だったみたいだけど、当時はすでにボートの残骸しかない状態だった。

僕は中ぐらいの池が大好きだった。

家から一番近いってのもあったけれど、今思えば一番人と自然が共存しているようなそんなバランスが好きだったのかな。

池のまわりはほとんどが堤防のように仕切られていたし、入りにくいようにしっかりとした柵も並んでいた。
もちろん柵は簡単に乗り越えていたけど柵の外から、池の真ん中の方で亀がぽかんと顔を出したり、子連れのカモがスイスイ泳いでいたり、その小さな波で池全体に波紋がが綺麗にひろがったり、脇でネコが日向ぼっこをしていたり
特に天気のいい日の夕方は橙色の光が水面に反射して、クリスタルのようにキラキラ輝いたり、そんなのを眺めるも好きだった。

小さな川は中ぐらいの池に繋がっていた。
さっき、<小さな川の目的は四つある溜め池の二つを繋ぐことだったと、思う>って言ったのは、それが僕たちの勝手な想像だったからだ。

小さな川は土管から始まっていて(大きな排水溝みたいな)、また、土管に流れ込み、さらに一山越え(本当にちょっとした山)したところにある土管から、もう一度流れ出していて、中ぐらいの池につながっていた。
土管に流れ込んで、土管から流れ出す、、、そこはいい。<でも最初の土管は何だ?どこから来てるんだ?>っていうのが僕らの仲間内でのもっぱらの疑問だった。僕らが通れるか通れないかくらいの土管だったけれど
さすがにまったくどこに繋がっているかわからない、そんな真っ暗闇に足を踏み入れる勇気はなかった。

そこで僕たちが出した結論が
<この小さな川は一番小さな池から流れ出して、中ぐらいの池に繋がっているんだ!>
理由はその土管の延長線上に一番小さな池があったからだった。なんとも短絡的。

さらには<噴水にも繋がってるんだ!>
その延長線上のちょうど真ん中あたりにあった噴水があったからだった。どうやって繋がるんだい?なんとも超短絡的。


僕らはそんな結論(結論か?)にたどり着いてウキウキだった。




そんなある日。
僕ともう一人の友達がいつものように小さな川に遊びにいった雨の日のこと。
なにやら、最初の土管の中からピチピチ音がする。それも結構激しく。
僕たちは顔を見合わせて、<ん?>と首をかしげながら何気なく魚捕り網を土管のなかに入れ、力いっぱい引っ張ってみた。
重い網、もってかれそうな感触。エイ!と引っ張ってみるとそこにはフナ、フナ、フナ。ゲンゴロウブナにマブナ。
それもみんなデカイデカイ!もう僕ら二人は大興奮。ピチピチの音がなくなるまで、よいやさぁー、よいやさぁー、ヤーレンソーラン節。

大量、本当に・・・大漁。

もちろん、後先考えてない少年二人。
「どうする?」
「どうする?」
「逃がす?」
「え?もったいない。」
「なぁ、、、噴水で・・・飼う?」
「ん、、、あーー!それいい!」

・・・噴水で飼うって・・・
また飛んでもないこと言ったもんだ僕も。

えっさらほいさ、大きな黒いビニール袋を数個、一生懸命運ぶ二人の少年。(これが青年、成人だったら怪しさ満填)

流し込む流し込む、夢の噴水へ。僕らにとっては巨大な水槽だ。
小雨に打たれながら
「いーち、にーい、さーん・・・」
まだ、まだ
「にじゅーさーん、にじゅーしー・・・」
まだ、まだ、まだ
「ろくじゅーさーん、ろくじゅーしー・・・」


計87匹


まさに大量。こんなことはもう人生で無いだろう、川魚の大漁。
もちろん、そんなテンションの上がっている少年が次に思いつく行動は一つ。

「もっと!!!」

僕らは終わるな否や、一目散に一番小さな池にかけていった。
もちろん、僕らは二つの池が繋がっていると思ってるから、そこにも大量が待っていると思っていたよ、もちろん短絡的に。
それでも必死に一生懸命に。

自然と、二人で競争しながら、どっちが早く一番小さな池にたどり着くか。

全速力で、何度もお互いの顔を見合わせては、笑いながら
全速力で、何度もお互いの顔を見合わせては、叫び声をあげながら


どちらが早くたどり着いたのかわからないくらい。
息も切れきれ、前かがみになって、両手は膝の上、頭は下がり、視線は自分の足元。
興奮する気持ちと、全速力で荒れた呼吸をで落ち着けて・・・
よし、行くぞ!と持ち上げた頭。

目の前に広がる池に大量に飛び跳ねている川魚の図



無かった。
小雨が水溜りのように残っている一番小さな池の水をポツポツ穿っているだけだった。

水は無かった。


そう、その川魚たちは、一番小さな池の水が無くなったが為に、中ぐらいの池に逃げてきてたものの
小さな川が浅すぎて、その途上の土管で留まっていのだ。


そう、僕たちの短絡的な結論は、本能的にただしかったのだ。


僕たちの結論が証明できた日。



つづく。

- 2 Comments

関敬  

続きまだ?

2007/05/27 (Sun) 11:03 | EDIT | REPLY |   

gencoo  

>関敬
お待たせ。完結しましたー。

2007/05/31 (Thu) 12:49 | EDIT | REPLY |   

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